が剣道を経験したことがないという方へ。
剣道にはこのような理念があります。
『剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である』
剣道が人間形成の道だといわれる理由はいくつかあります。
私なりに思いつくものをまとめてみました。
技術を学ぶ観点から
剣道は、竹刀の持ち方も、構え方も決まっています。
そのため動きに制限がかかるので、ちゃんと剣道の動作の理論に
添って動かないと技術が向上しません。
制限のある中で、技術を磨いていくには理論を大切にしないと
いけません。
これは、実生活の中でも言えることで、人間関係、勉強、家事、仕事
など、何にでも『理』というものはあるので、理論を大切に技術を
向上させていこうという姿勢が人間形成につながるのです。
師弟関係の観点から
剣道は、スポーツではなく武道です。
剣道という一つの道で学んできた人から、技術だけでなく考え方や
生き方も学ぶことのできます。
剣道では、師について学ぶという意識が自分と他人の距離感を学ぶ
機会になっていると思います。
この距離感は、学校でも社会に出てからも大切な意識なので人間
形成につながる要因の一つだと思います。
物を大切にするという観点から
私はこどものころに、剣道において、竹刀は本来刀であるから、
刀は武士の魂ともいえるものだから大切に扱うよう厳しく指導して
いただきました。
また、道着や防具は自分の体を守ってくれるものだから、それらも
大切に扱うよう言われました。
竹刀、道着、防具を通じて人と物の関係性を学ぶことができます。
これも日常生活で大切な意識だと思うので、人間形成につながる
点だと思います。
人を打つという観点から
ちょっと雑ないい方をすると、剣道は竹刀で人を叩きます。
高校生以上は、相手を突くことも許されます。
だからこそ、竹刀の扱いから防具を正しい付け方なども厳しく
指導します。
また、叩いたり突いたりしていいと言っても、相手への配慮は
必要で、その配慮を学ぶことも剣道の大切な要素です。
これは、人と関わる時の力加減にも繋がります。
腹が立った時に何をしてもいいわけではなく、正当な形で自分の
気持ちを伝える訓練を剣道の中で学ぶことができます。
自立という観点から
剣道には『守破離』という教えがあって、師の教えを忠実に
学ぶ時期、師の教えに工夫を加え上達を目指す時期、師の教えから
自立して自分の剣道を確立する時期があると考えられています。
この姿勢は、他のことにも通じる重要な教えだと思います。
私も社会人になって仕事をするようになり、守破離の意識を持って
取り組めていなかったことは上手くいかない場合が多く、守破離
の意識を持って臨んだことは成果が出ているように思います。
このような姿勢が身に付く点も剣道の良いところだと思います。
世の中にはいろんな習いごとがあって、それぞれ素晴らしいと思い
ますが、剣道は日本古来の武道だからこそ培われた人間形成の理論
があって、幼少期の子供の成長の支えるにあるものだと思います。
榎本剣友会は、若い指導者も多く、まだまだ剣道も人生も修行中
ですが、上記のようなことを大切に少年剣士の育成に取り組んで
います。
剣道についてわかりやすく書きたかったのですが、どうしても
文章が硬くなってしまいますね(^_^;)
でも、ブログから剣道のことを少し分かってもらえると嬉しく思い
ます。